初めてのPAガイド・音響機材マニュアル

こんにちは!
 
今回は軽音部の学生さんや音響に興味を持っている方、初めて音響機材に触れる方向けの、機材の種類や使い方を簡潔にまとめた初心者PA講座のようなコーナーです。
 
PAとは何か、何をしているのか、学校や部活では教えてくれない機材の基本的な扱い方などまとめてシンプルにをお教えします。

学園祭・文化祭でPAを担当することになったけど何もわからない!といった方などへ、少しでも参考になれば幸いです!
 
パプリカでのレンタル機材の扱い方にも当てはまりますので、弊社機材レンタルをご検討中の方も是非ご覧ください。

目次

PAとは

PA(Public Adress)は直訳すると「大衆伝達・公衆に伝える」という意味で、マイクやアンプ・ミキサー・スピーカーなどの音響機器を指した言葉です。

また拡声・大衆伝達に関わる業務自体を「PA」と呼んだり、音響機器を扱うスタッフを指して「PA」と呼んだりします。

参考に、私たちが普段行うPA業務は主に以下になります。

  • 音響機材をお客様の元へ届ける(運搬)
  • 音響機材を設営・撤収する(搬入出・設営)
  • 音出し確認、調整を行う(サウンドチェック)
  • 本番の調整を行う(オペレート)

音の流れ

まずは一連の音と信号の流れを知ることが大切です。

  1. 最初にマイクで音声(空気の振動)を拾い、電気信号へ変換します。
  2. マイクからの信号をケーブルで伝達し、ミキサーで音を調整します。
  3. ミキサーで調整した音をパワーアンプで増幅します。
  4. パワーアンプで増幅した信号でスピーカーを駆動し音を出します。

※マイクは空気の振動を電気信号に変える、スピーカーは電気信号を空気の振動に変える。役割は逆ですが仕組みは同じなんですね。

設営の手順

次に現場での音響機材の設営での流れを説明します。

  1. 機材を適切な位置に配置します。配線してしまうと後から動かすことは困難なので、あらかじめ設置場所を決めていきます。
  2. 場所が決まったら電源を確保します。機材は電源がないと何もできないので、優先的に確保しましょう。
  3. その他のケーブルを接続します。最初はスピーカーからチェックするためアウト側(スピーカー側)から接続すると良いです。
  4. 接続ができたら、正しく音が出るかチェックします。まずはアウト側(スピーカー側)をチェックし問題なければ、インプット側(マイク等)を正しく接続され音が出るかチェックします。

※スピーカーのチェック前にマイクのチェックをしても、音が正しく出ているのかわからないので先にスピーカーをチェックします。

マイクの種類(ダイナミックマイクとコンデンサーマイク)

設営の流れがわかったところで、次はそれぞれの機材を詳しく見ていきましょう。

まずはマイクについてです。
PA現場では大きく分けて2種類のマイクを使います。

  • ダイナミックマイク
    比較的シンプルな構造のため、頑丈で環境変化にも強く、高い音圧にも耐えられるPAで最も多く使われるマイクです。
  • コンデンサーマイク
    使用に電源を必要とする複雑な構造で、衝撃や環境変化に弱い傾向がありますが、広い周波数特性を持ち、繊細な収音が可能です。

マイクスタンドの立て方

次はマイクのスタンドへの取り付けです。

  1. 三脚部の下側のノブを緩めて、三脚部分を下まで出して固定します。真ん中の部分が床に触れていると床の振動も拾ってしまうので3脚以外の部分は床に触れないようにしましょう。
  2. 三脚を目一杯広げます。
  3. 上部のノブを緩めてマイク(マイクホルダー)を取り付けます。マイクスタンド側を回して取り付けてください。
  4. 全てのノブがきちんと締まっていること、マイクが正しく取り付けられていることを確認して完成です。

※SM58の場合は丸ポチが上に来るように付けるとケーブルを付けやすいです。

PAミキサーの大まかな役割

マイクの次はミキサーです。
まずはミキサーの主な役割を知りましょう。

  • 音声信号をまとめる
    ボーカルマイク、楽器のマイク、パソコン音源、など様々な音声信号をまとめる役割があります。
  • 音量を調整する
    マイクやキーボードから出てくる信号は大きさが違います。
    マイクプリ(GAIN)のツマミでそれぞれの信号を扱いやすいレベルまで増幅し均します。音量バランスの調整は基本フェーダーで行います。
  • 音声信号の音色を調整する
    EQで特定の周波数をブースト(増幅)・カット(減衰)して音質を調整します。
    原音のありのまま拡声できるのが理想ですが、多くの場合そのままとはいかず、マイクやスピーカーの特性、環境の特性などを加味して適切にEQ調整を行うことによってその場に適した聞きやすい音になります。

※他にもAUX(MIXバス)、コンプレッサー、FX、など様々な機能がありますが一旦ここでは置いておきます!

PAミキサーの各部の名称と主要機能

  • GAIN(ゲイン・マイクプリ)
    マイクや楽器の入力ゲイン(GAIN)を調整するツマミ。HA(ヘッドアンプ)やマイクプリ(マイクプリアンプ)と呼ばれることもあります。
    まずはフェーダーは規定値(ユニティ)にしてGAINで信号レベルを均すと良いでしょう。
  • EQ(イコライザー)
    音質を調整するツマミ。このミキサーはHi(高音域) Mid(中音域) Low(低音域)に分かれてます。
  • MUTE(ミュート)
    信号をOFFにするボタン。一時的に音を出したくない状況で使います。
  • フェーダー
    マスターフェーダーに送る信号の量を調整するエリア。
  • マスターフェーダー
    ステレオマスター(LR)から出力される信号の量を調整するエリア。
  • input
    入力信号が入ってくるエリア。マイクや楽器に繋がったケーブルを接続します。
  • output
    ステレオマスター(LR)のアウトなど、さまざまな信号が出力されるエリア。ここから出力系機材(パワーアンプなど)に接続します。

ミキサーの役割がわかったら接続の最終段のパワーアンプやスピーカーを見ていきましょう!

パワーアンプとパワードスピーカー・パッシブスピーカーの違い

パワーアンプは、ミキサーから送られる電気信号をスピーカーで鳴らせるレベルまで増幅するための機器です。

このパワーアンプを小型化し内蔵したスピーカーも存在します。パワーアンプ内蔵スピーカーには「パワード」や「アクティブ」といった名称が付きます。

逆にパワーアンプを内蔵していない通常のスピーカーは「パッシブ」と名称が付いて呼ばれることがあります。

パッシブスピーカーはパワーアンプからスピーカーを動かす電力ごと供給されているので、電源ケーブルを必要とせず、スピーカーケーブルのみで配線できるのがメリット。

パワードスピーカーは電源を必要とするので音声ケーブルとは別に電源ケーブルも引いてこなければなりませんが、パワーアンプを必要としないので、単純に機材量を減らせることや、接続がわかりやすいのがメリットです。

スピーカーのスタンドへの立て方

  1. 三脚を広げてそれぞれ開き具合を揃えます
  2. スピーカーをスタンドに差して取り付けます
  3. 高さを決めて揃えます。
    スピーカーを上げるときは三脚部分を足で押さえながら肩で下から押し上げるように持ち上げると安全です。
  4. 棒を挿してロックしたら完成です。

※スタンドの種類によって、ノブで固定するタイプやハンドルを回してで上げるタイプもあります。

これで機材の設置は終わり、電源の接続、各種ケーブルの接続へと進みます。

各種ケーブルについて

まずは形と名前、使用する場所を覚えていきましょう。

  • マイクケーブル
    マイクとミキサー、ミキサーとパワーアンプを接続するときに使います。
    外すときはレバーを押しながら外します。
  • スピーカーケーブル
    パワーアンプとスピーカーを接続するときに使います。
    増幅された電流に耐えられるようマイクケーブルよりも太めな設計。
    接続するときは挿したあとに回すとカチッとロックされます。
  • シールドケーブル
    ギターやベース・キーボードなど楽器類と機材を接続するときに使います。
    よく使うのはギター・ベースとギター・ベースアンプです。
    基本的には演奏者が持参するケーブルです。

各種端子について

  • キャノン(XLR)
    マイクケーブルの基本的な端子。
    マイクやミキサーの入出力部分に配置されることが多いです。
  • スピコン(SpeakON)
    弊社のスピーカーケーブルは主にスピコン端子です。
    パワーアンプの出力端子や、スピーカーの入力端子によく見られます。
  • TSフォン
    シールドケーブルで見られるような棒状の端子を通称フォン(phone)端子と言います。
    フォン端子の中でも黒い線(絶縁体)が1本のタイプがTSフォンです。
  • TRSフォン
    フォン端子の中でも黒い線(絶縁体)が2本のタイプがTRSフォンです。

各端子の細かい説明は別コラムで解説します!

キャノン(XLR)端子の接続方法

  • XLR端子の挿し方
    カチッとなるまで挿し込みます。
    カチッとならないタイプは一番奥まで挿し込みます。
  • XLR端子メスの外し方
    端子側の出っ張りを押しながら外します。
  • XLR端子オスの外し方
    機材側の出っ張りを押しながら外します。

スピコン端子の接続方法

  • スピコン端子の挿し方
    ①位置を合わせる
    ②挿し込む
    ③カチッとなるまで時計回りに回します
  • スピコン端子の外し方
    ①端子のレバーを引く
    ②そのまま反時計回りに回します
    ③軽く引っぱると外れます

八の字巻

最後にケーブルの巻き方です。
基本的には八の字巻という方法でケーブルを巻いていきます。

八の字巻はケーブルを引き出す際に巻き癖がつかず、スムーズに引き出せます。

  1. 時計回りにねじりながら巻く(順巻き)
  2. 少し長めに持って反時計回りにねじりながら巻く(逆巻き)
    逆巻きのときは必ずコードが交差します
  3. 時計回りにねじりながら巻く(順巻き)
    順巻きのときは交差しない
  4. 反時計回りにねじりながら巻く(逆巻き)
  5. 巻き切れるまで1〜4を繰り返したら、ベルクロまたはゴムで留めて完成

これで一通りの機材名称や基本的な扱い方はなんとなくわかっていただけたかと思います。

今回は初心者向けの記事となりましたので細かい部分は端折って、簡潔にまとめてみました。

それぞれの機材(ミキサーやパワーアンプ等)の使い方は別コラムで解説しようと思っていますので、よろしければ引き続きご覧ください!

各機材の機能や現場でのポイントなどはまだまだたくさんあるので、気になった方はご自身で色々掘り下げて調べてみるのも面白いかと思います。(ネットにはたくさん記事が転がってますので)

ここまで読んでも全然わからないといった方もご安心ください。
配線などの設営まで全て一貫して、弊社スタッフが行う搬入搬出付きのご依頼も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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